マーケティングは一言で表すと『売れる仕組みづくり』と言われることが多いです。
ドラッカーも「マーケティングの究極の目標は、セリングを不要にすることである」という言葉を作っています。
そのマーケティングを進めていくためにはまず階層構造を理解しておきたいです。
大きく3つの階層に分かれています。
- 戦略的マーケティング
- マーケティング・マネジメント戦略
- マーケティング機能要素別戦略
そしてマーケティングを進めていく定石としてマーケティングマネジメントプロセスがあります。
- マーケティング環境の分析
- マーケティング目標の設定
- 市場細分化・標的市場の選定(セグメンテーション、ターゲティング)
- ポジショニング
- マーケティングミックス(4P)の計画・実行
マーケティングの階層とマーケティングマネジメントプロセスの2つを解説していきます。
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マーケティングの階層
経営の中でのマーケティングの重要性が増してきている現代では戦略的にマーケティングを実施することがポイントになっています
マーケティングは大きく3つの階層に分かれています。
- 戦略的マーケティング
- マーケティング・マネジメント戦略
- マーケティング機能要素別戦略
戦略的マーケティング
戦略的マーケティングは企業全体の方向性を決める成長戦略(企業戦略)に近い戦略です。
経営戦略はファイブフォース分析などで外部環境を分析し企業の方向性や経営資源の配分などを決めていきます。
戦略的マーケティングは経営戦略の下位機能ではなく経営戦略との統合が重要になっています。
経営戦略と合わせて経営の方向性、経営資源の配分などを決める活動を戦略的マーケティングと呼びます。
マーケティング・マネジメント戦略
マーケティング・マネジメント戦略は戦略的マーケティングで決まった方向性を具体的なマーケティング戦略に落とし込んでいきます。
各種マーケティング戦略を統合していくのがマーケティング・マネジメント戦略です。
各種マーケティング戦略を組み合わせたものをマーケティング・ミックスと呼びます。
マーケティング・ミックスの代表的なフレームワークに4Pがあります。
高価格帯の商品なのか? 低価格帯の商品なのかでマーケティングミックスは変わってきます。
マーケティング・マネジメント戦略は個々のマーケティング戦略に統一感を持たせることが重要になります。
マーケティング機能要素別戦略
一番下の階層はマーケティング機能要素別戦略です。
マーケティングの基本的な機能要素を4つに分けてそれぞれ戦略を策定します。
4つともそれぞれ頭文字にPがつくことから4Pと呼ばれています。
- 製品戦略 (Product)
- 価格戦略(Price)
- チャネル戦略(Place)
- プロモーション戦略 (Promotion)
マーケティングマネジメントプロセス
マーケティングは顧客のニーズを掴んで生産、販売と連携を取りながら価値を提供していきます。
そんなマーケティング戦略を策定、計画、実行するにあたり定石となるプロセスがあります。
以下の5つのプロセスです。
- マーケティング環境の分析
- マーケティング目標の設定
- 市場細分化・標的市場の選定(セグメンテーション、ターゲティング)
- ポジショニング
- マーケティングミックス(4P)の計画・実行
マーケティング環境の分析
最初はマーケティング環境の分析を行います。
事業に影響を与える内外の要因により構成される環境を分析します。
分析した結果から市場の機会と脅威を整理して自社の強みと弱みを理解して戦略の方向性を検討していきます。
機会、脅威、強み、弱みと言えばSWOT分析というフレームワークが利用されます。
マーケティングの外部環境の分析では顧客について理解することが重要です。
顧客を深く理解するために1次、2次データを収集したり消費者購買行動を分析したりします。
マーケティング目標の設定
環境分析が終わったらマーケティング活動を通してどうしたいのかを明確にすることが必要です。
環境分析で得た結果をもとに自社の課題を洗い出し、優先順位を整理してマーケティング目標を設定していきます。
具体的には、売上高や利益額、利益率、シェアなどを設定するのが一般的です。
市場細分化・標的市場の選定(セグメンテーション、ターゲティング)
目標設定の次は市場細分化と標的市場の選定です。
市場細分化はセグメンテーション、標的市場の選定はターゲティングと呼ばれます。
企業は市場を地理的基準や人口統計的な基準で細分化(セグメンテーション)して最も優位に立てるセグメントを選択(ターゲティング)して集中的に資源を投下していきます。
セグメントが小さすぎると事業が成り立たず、大きすぎると大きな資本を相手に競争が激化する恐れがありバランスが重要になります。
ポジショニング
市場細分化・標的市場の選定の次はポジショニングです。
選定市場で自社製品が他社製品よりいかに魅力的である認知してもらうことがポジショニングの目的です。
自社の製品をどのように差別化していくのかと言えます。
マーケティングミックス(4P)の策定・計画・実行
最後にマーケティング・ミックスの計画・実行です。
マーケティング・ミックスは前述したとおり各種マーケティング戦略を組み合わせたものをいいます。
最も利用されているのは4Pです。
魅力的な製品を開発して(製品戦略:Product)、適切な顧客に情報を提供し(プロモーション戦略 :Promotion)、適切な価格で(価格戦略:Price)、楽に手にすることができる(チャネル戦略:Place)と各要素が組み合わさることが重要です。
セグメント、ターゲットを考慮しながた整合性のあるマーケティング・ミックスを作る必要があります。
マーケティング・ミックスができたら具体的に実現するために誰が、何を、いつまでに、どのようにやるのか、どれくらいのコストがかかるのかを明確に計画します。
最後に実行を行い、結果をチェックし改善というPDCAを回していくことが重要になります。
マーケティング - 中小企業診断士試験の過去問チェック
企業経営理論 - 平成25年度 第24問(設問2)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
企業は、その利益実現のための要素のひとつとして売上高の変化に関心を持つ。そして、売上高の変化にどのように戦略的に対応していくかを意思決定することが求められる。
ここで、企業の売上高暗対象市場規模庵市場シェアという定義式を用いることにする。この式の内容を図式化すると下図でとらえることができる。これを見ると、
①企業の売上高は対象とする市場全体の成長率だけでなく、市場シェアの変化によっても多様に変動することが分かる。
また、このことは
②企業の戦略適応の方法が異なる
ことも示している。
(設問2)
文中の下線部②に示す「異なる戦略適応」のパターンとそれらの特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。ア 象限Aでは、対象市場の適否についての分析を早急に進めるとともに競争戦略の再検討が求められる。
イ 象限Bでは、対象市場の再選択が優先順位の高い作業となる。
ウ 象限Bと象限Cの状態でそれぞれ同じ程度の売上増を目標として設定した場合、Bの方がより多くのマーケティング費用が必要となる。
エ 象限Dでは、市場が飽和に達しつつあり、現状の戦略をさらに推進することにはリスクが伴う。
正解:ア
アの内容
対象市場の成長率は減少しており、市場シェアも減少している。
その市場で今後も戦い続けるのか競争戦略の再検討を実施する必要があると考えることができます。
よってアの内容は正しいです。
イの内容
市場自体は成長しているので問題ないと考えることができます。
一方でシェアが減少しているため競争戦略の再検討が必要であると考えることができます。
よってイの内容は誤りです。
ウの内容
象限Cでは対象市場の成長率が減少しているがシェアは拡大しています。
シェアの減少を防ぎながら維持をしていくためのマーケティング費用が必要になると考えます。
一方で象限Bは市場が成長しており、シェアが落ちている状態です。
シェアは下がっていますが市場が成長しているので売上は増加する可能性があります。
よって象限Cの方がより多くの費用を必要とすると考えることができます。
エの内容
象限Dでは市場が成長しているので飽和しているとは言えません。
よってエは誤りです。
『マーケティング戦略の階層とマーケティングマネジメントプロセスとは?』のまとめ
マーケティング戦略の階層とマーケティングマネジメントプロセスのポイントとしては以下の通りです。
- マーケティングは大きく3つの階層、『戦略的マーケティング』、『マーケティング・マネジメント戦略』、『マーケティング機能要素別戦略』の3つに分類されています
- マーケティング・マネジメント戦略では種々のマーケティング戦略をを統合してマーケティング・ミックスを考えます
- マーケティング・ミックスの代表的なフレームワークに4Pがあります
- マーケティング機能要素別戦略では4Pで示される書く要素ごとに戦略を立てます
- マーケティングマネジメントプロセスでは5つのプロセスを実施していきます
- 自社の置かれている環境、強み弱みから細分化した市場のどこで戦うかを決め、最適なポジションをとることが重要になります