セグメンテーション、ターゲティングが完了したらポジショニングを実施します。
ポジショニングはターゲティングで決めたセグメントにて競合他社より優位性を築いていく方法です。
競争上の位置づけを認識して製品間の競争においていかにして自社製品が競合と差異があるのかを伝えることで優位性を獲得します。
ポジショニングを検討する際にはポジショニングマップと呼ばれるツールが利用されます。
ポジショニングマップは競争優位を得ることができると考えられる2つの特徴を軸に他社製品、自社製品をマッピングしていきます。
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マーケティングのポジショニングとは?
ポジショニングはターゲティングで決めたセグメントにて競合他社より優位性を築く方法です。
セグメンテーションとターゲティングを実行して到達したセグメントには往々に他社が存在します。
その中で自社製品の独自のイメージ、価値を顧客の頭の中に植え付けること自社製品がどう見えるかを操作することと言えます。
他社との競争を有利に進めるために差別化、自社製品の代替は他社ではできないということを顧客に認識してもらうことが重要となります。
ポジショニングのプロセス
- 競争優位点をみきわめる
- 適切な競争優位点を選択する
- 選択したポジションを効果的に伝達する
競争優位点をみきわめる
選択した市場に対して他社よりもより良い価値を提供する能力があると自社を位置付けることができれば競争優位を獲得することができます。
しかし自社の製品、サービスを差別化して競争優位を獲得したとしても競合他社にまねされて優位性を失うことは多くあります。
失わないためには常に新しい優位性の探し出し1つずつ導入することで持続的な優位性を獲得することができます。
以下の4つの観点から差別化が行えます。
- 製品
- サービス
- スタッフ
- イメージ
製品
自社の物理的な製品を差別化することです。
ボルボでいうと優れた安全性、ジャガーでは独創的なデザインなどが差別化している点です。
サービス
物理的な製品の差別化にプラスしたものとしてサービスを差別化することができます。
配達の早さやアフターフォローの充実などがあげられます。
スタッフ
企業は競合他社よりも優秀な人材を獲得、育成することで差別化することができます。
ディズニーのような徹底した世界観づくりを行っているスタッフなどがあげられます。
イメージ
最後にイメージでの差別化です。
同様の製品やサービスに見えたとしても企業イメージによって購入者の受け取り方が異なることがあります。
適切な競争優位点を選択する
競争優位点を見つけることができたらどの優位点を利用してポジショニングを行うかを選択する必要があります。
1つの特性をとことん磨き上げ一貫して提供し続けることで優位性を築いたり、正確な配達と充実したアフターフォローなどの組み合わせで優位性を築くこともできます。
差別化要素をいくつ対象とするか? どの差別化要素を対象とするかを決めることが重要となります。
選択したポジションを効果的に伝達する
競争優位点を選択したら最後にターゲットとしている消費者に対して広めることを行う必要があります。
優秀なサービスを広める販売メッセージや広告メッセージを作り上げていくことが重要です。
ポジショニングのマップ
ポジショニングを検討するときによく利用されるのがポジショニングマップです。
競争優位を得ることができると考えられる2つの特徴を軸にマップとして表現していきます。
どんな顧客のニーズに対応して、他社の競合製品との位置関係を視覚的にすることが可能になります。
新商品ならばどこのポジションを目標とするのか? 既存の製品であればどこにリポジショニングするのか? を検討します。
ポジショニングマップの例
例として上記の図から自動車メーカーでポジショニングマップを考えてみます。
スポーツとラグジュアリーという軸と価格帯の2つの軸でポジショニング・マップを作ったとします。
このポジショニング・マップの場合にBMWとベンツはどこに位置するのかを考えてみます。
まず価格帯に関しては共に高級車になりますので上部に位置します。
もう1つの軸に関してはベンツはラグジュアリーよりで左の方に(自社商品Aのところ)、BMWはスポーティーで右寄りに(他社商品Cのところ)と考えることができます。
そして各々のポジションに適したマーケティングミックスを検討する必要があります。
ベンツはより地位や名声が得られれていると感じられるようなものを、BMWでは走りの喜びを感じられるようなものを訴求していきます。
ポジショニングマップの作成手順
- 軸となる特徴をリストアップする
- 特徴を絞り込む
軸となる特徴をリストアップする
最初に自社製品の特徴を洗い出すことからはじめます。
洗い出す際には製品特性にこだわりすぎて機能本位になりすぎないように注意が必要です。
また顧客ニーズを満たすことができているとしても競合他社が同じポジショニングをとっていたら自社製品を選択してもらう可能性が低くなってしまいます。
他社がとっていない独自のポジショニングの軸を探すことが重要となります。
特徴を絞り込む
次にリストアップできた特徴を絞り込みます。
1人の顧客が特定の製品について認識する特徴は2つまでと言われています。
よって顧客に強く訴求する特徴は2つ以内に絞り込むことが望ましいとされています。
絞り込みを行う観点としてはまず第一に顧客に共感してもらえることが重要です。
そして以下の3点に注意します。
- 自社製品を他社製品よりも魅力的だと認識してもらう
- 競合の追随を防ぐ
- 自社製品間のカニバリゼーション(共食い)を避ける
ポジショニング - 中小企業診断士試験の過去問チェック
平成22年 第29問 設問2
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
新興のデザイン家電メーカーX社は、パソコンの基幹部品の標準化・汎用化が 高度に進み、消費者のパソコン使用経験が深まっている現状を潜在機会としてとらえ、革新的な製品によるパソコン市場への参入を計画している。
ただし、パソコン市場を概観すると製品ライフサイクルの成熟化段階に達しているため、同社の新製品開発に先駆けたマーケティング計画の策定過程では、構想力に満ちた魅力的な製品コンセプト・アイデアの創出に加え、①「消費者の知覚の立場」
からの市場分析が重要な課題となる。そこで同社は、社内の関連部署のスタッフによって構成されるブラ ンド・チームをつくり、②「製品(ブランド)ポジショニング」に関する検討を行っている。
設問2) 文中の下線部!に関する以下の文章の空欄A~Dにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
市場が成熟し、ひとつの製品市場に多くのブランドが登場するようになると、 競争関係にあるブランドの製品との[A]を保ちながら、多くの消費者の[B]に近接したポジションを見出すことは難しくなる。
つまり、有効な[C]を行うことのできるブランド・ポジショニングが、ますます困難になるということである。
このような状況を打開するためには、[D]の活用が必要になってくる。〔解答群〕
ア A:カテゴリ同調性 B:カテゴリ認識点 C:市場細分化 D:製品差別化イ A:関 連 B:欲求充足点 C:製品差別化 D:ライフスタイル・セグメンテーション
ウ A:競合性 B:関与増加点 C:顧客指向化 D:機動的な営業力
エ A:距 離 B:欲求理想点 C:製品差別化 D:市場細分化
オ A:類似性 B:カテゴリ認識点 C:市場細分化 D:異質需要に関する知識
正解:エ
Aにはブランドの製品との「距離」を保ちながらです。
距離を保ちながら消費者のニーズ、「欲求充足点」を探すことは難しくなります。
すでにニーズが存在するゾーンに関しては様々な企業が対応しておりポジショニングマップでいう空白地帯はないと考えることができます。
空白地帯が無いような状況で行うのが難しくなるのは製品差別化です。よってCには「製品差別化」が入ります。
空白地帯が無いような状況の有効な打開策としてはニーズの多様化をつかむためにさらに市場を細分化することが重要になってきます。
よってDには「市場細分化」が入ります。
『マーケティングのポジショニングとは?ポジショニングのプロセスとポジショニングマップ』のまとめ
ポジショニングのポイントとして以下があげられます。
- マーケティングのポジショニングは他社よりも競争優位性を築くこと他社との差別化を図ること
- ポジショニングのプロセスとして競争優位点をみきわめる、適切な競争優位点を選択する、選択したポジションを効果的に伝達するの3つのプロセスがある
- ポジショニングマップを利用して新商品ならばどこのポジションを目標とするのか? 既存の製品であればどこにリポジショニングするのか? を検討することができる
- ポジショニングマップを作成するには軸となる特徴をリストアップする、特徴を絞り込むの順番で実施する