顧客がそれぞれ異質なニーズを持っている場合に企業の対応は色々とあります。
1つ1つ個別のニーズにフィットした製品を提供すること。
ニーズ違いでなく共通性に注目して全ての顧客のニーズを部分的に満たす製品を提供すること。
前者はコスト面が大きくなるため高価格に設定しないと利益が上げづらいといった欠点があります。
後者は顧客のニーズを十分に満たすことができないといった欠点があります。
これは生産効率とニーズの充足が相反する関係にあると考えられます。
しかしこの関係を打破する方法があります。
それが市場細分化(セグメンテーション)です。
市場細分化(マーケットセグメンテーション)とは市場を一定の規模に保ち、かつ似通ったニーズをもつ消費者の集合に区分していく方法です。
同じニーズの顧客をうまく抽出することができれば一定規模の市場が見込め、かつ固有のニーズにも対応することができます。
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市場細分化(セグメンテーション)の基準
市場を細分化する際に使用される基準としては次のようなものがある。
- ジオグラフィック基準(地理的基準)
- デモグラフィック基準(人口統計的基準)
- サイコグラフィック基準(心理的基準)
- 行動変数基準
ジオグラフィック基準(地理的基準)
ジオグラフィック基準とは地域や気候、人口密度などにより市場を細分化する基準です。
切り口として以下のようなものがあります。
- 地方:関東、関西、九州など
- 気候:温暖、寒冷地など
- エリア特性:大都市、地方、郊外など
地域別の商品を企画したり、寒冷地に不可欠な防寒用具を開発したりなどがあげられます。
デモグラフィック基準(人口統計的基準)
デモグラフィック基準とは人口統計的な基準を用いるものです
切り口としては以下のようなものがあります。
- 年齢:少年、若者、中年、高齢者など
- 性別:男性、女性
- 家族構成:既婚、未婚など
- 所得:年収300万円以下、年収1000万以上など
- 職業:サラリーマン、医者、弁護士、主婦など
デモグラフィック基準は消費財のマーケティングで特に重要視されています。
市場規模や動向が把握しやすく他の基準と比べて30代男性など切り口がわかりやすいことがメリットとしてあります。
一方で若年層男性向けにアウトドアグッズを売り出したが実際の購入層に若年層の女性が多く含まれていたことがわかり製品を見直すなどのことがあります。
デモグラフィック基準で簡単に作れる一方でニーズが多様化している現代では1つだけの基準では同じニーズをもつグループを取り出しづらくなっています。
サイコグラフィック基準(心理的基準)
サイコグラフィック基準とは消費者の心理的な側面から価値観やライフスタイルなどにより市場を細分化したものです。
切り口としては以下のとおりです。
- ライフスタイル:環境志向、健康志向、質素、浪費、都会型など
- パーソナリティ:新しい物好き、保守的など
高級な外車にするか実用的な国産車にするかやどの新聞を購読するかといったものがサイコグラフィックの違いによってあらわれます。
行動変数基準
行動変数基準とは消費者の製品に対する知識、態度、使用、反応などに焦点を当てた細分化の方法です。
切り口としては以下のとおりです。
- ベネフィット:経済性、機能性、特別感など
- 使用率:ノンユーザー、ヘビーユーザーなど
POSデータなどを用いて顧客の購買パターンを分析して行動変数を活用しています。
2軸を掛け合わせたセグメンテーションを行う
前述した基準だけでセグメンテーションを行ってもいいのですがより有益な分析するためには少し工夫が必要です。
競合が思いつかないような切り口を設定するために2つの軸を掛け合わせることが重要になってきます。
例えばライフスタイルである屋外主体の生活と屋内主体の生活という軸と使用率であるノンユーザーかヘビーユーザーを軸としたものなどが考えられます。
2軸を細分化する際には以下の3点に注意が必要です。
- 各セグメントがMECE(もれなくダブりなく)であること
- セグメントごとにニーズが異なること
- 縦軸と横軸の相関がないこと
市場細分化の注意点
市場細分化を行う際に注意しておきたい点が2つあります。
- 市場細分化の要件が満たせているか?
- ニーズの違いが起点となっているか?
市場細分化の要件が満たせているか?
細分化された市場が役に立つようにできているかを判断するには以下の要件を満たしているかを確認します。
- 測定可能性
- 到達可能性
- 維持可能性
- 差別化可能性
- 実行可能性
測定可能性
セグメントの大きさ、購買力、特性を測定できることです。
人口動態データや国勢調査でのデータなどがないような切り口をすると想定が難しくなってきます。
到達可能性
各セグメントの顧客にアクセスし、製品や情報を送り届けることができることです。
対象となるセグメントの顧客に対して接することができるかを検討する必要があります。
維持可能性
細分化された市場が製品、サービスを提供するのに十分な規模を持っているのか、また十分な利益が得られることです。
細分化された市場にある製品を作ったとしても十分な利益が得られないのであれば割りに合わないとなってしまいます。
差別化可能性
同じセグメント内で異なるニーズをもつ顧客が混在したり、異なるセグメントで同じニーズを持っていたりと混在していないことです。
例えば既婚男性と未婚男性が時計販売に同じ反応を示すようであれば別々のセグメントを構成していることにはなりません。
実行可能性
各セグメントに対応するために効果的なマーケティングを設計・実行できることです。
人員の少ない零細企業が5つほどのセグメントを見出したとしてもそれぞれのセグメントに対して手を打てるほどの人員がいないなどが考えられます。
ニーズの違いが起点となっているか?
ある製品の顧客を年齢と性別の2軸で細分化したとします。
20代男性、20代女性、30代男性、30代女性・・・といった具合に細分化したとしても20代男性と20代女性のニーズがほとんど一緒かもしれません。
もしくは年齢によってのニーズは違うけれど性別によってのニーズは同じということがあるかもしれません。
よって変数ありきで細分化するのではなくニーズの違いを起点とした細分化が重要になってきます。
『市場細分化(セグメンテーション)とは?市場細分化の基準や要件について』のまとめ
市場細分化(セグメンテーション)のポイントは以下のとおりです。
- 市場細分化(セグメンテーション)の基準は4つある
- 4つとはジオグラフィック基準(地理的基準)、デモグラフィック基準(人口統計的基準)、サイコグラフィック基準(心理的基準)、行動変数基準
- 切り口となる軸を2つ以上掛け合わせることでより有効な細分化が行える
- 細分化する際に『市場細分化の要件が満たせているか?』、『ニーズの違いが起点となっているか?』の2点に注意が必要
- 市場細分化の要件は5つある
- 5つとは測定可能性、到達可能性、維持可能性、差別化可能性、実行可能性がある