「イシューからはじめよ」の3章から最後まで読んでみた。
作成したストーリーラインに基づいて分析の方法論、さらにアウトプットを出すために具体的にどうすればいいのかの流れと各フェーズの詳細が書かれている。
第3章 仮説ドリブン② - ストーリーを絵コンテにする
ストーリーラインができたら具体的な分析イメージを作成する。著者はこの分析イメージを絵コンテと呼んでいる。
分析するということはどういうことか、と言ったことが丁寧に書かれており分析という言葉が非常に平易に感じるようになった。
分析の種類から軸の作り方まで書かれているため、この章を読むことで分析ってこう進めれば良いのねということが非常に自分の中で納得のいく章でした。
分析とは比較すること
「分析とは何か?」に著者は明確に答えを用意している。それは比較することである。
この考えには非常にしっくりきた。分析するということは比較することでそれらの違いを発見、認識することであると。
そして比較には3つの種類しかないと述べている。
- 比較:共通軸で2つ以上の値を比べる
- 構成:全体と部分を比較する
- 変化:同じものを時間軸上で比較する
イシューからはじめよ | 3章より
軸を見つけるには?
比較の定義は上記の通りで比較である。その比較をするためには軸が重要であることも述べられている。
その軸はどのようにおけば良いのか? それは原因と結果を軸におくというものである。
何をしたか、頻度はどれくらいか、量はどれくらいかなどが原因の軸になるものである。
結果は原因に応じて評価、度合い、割合、動向などを表したものを軸とする。
ゴールまでの道のりを描いておく
ゴールまでの道のりとして以下の2つのことが必要であると述べられている。
分析の結果を具体的なイメージ
なぜ分析結果を先にイメージしておくのか? それは具体的なイメージを書くことでどこに注力すれば良いかわかるからである。
作ってみたイメージをみてポイントとなりそうなところを抽出して自分なりの仮説を立てることが大切である。
データの取得方法をはっきりさせておく
どういうデータをとって何を比較して分析をするのかということが決まっていてもその情報が取得できないものであれば意味がない。
最低でも関連する分野における既存の情報収拾の手法を一通り知っておいたほうが良い。
第4章 アウトプットドリブン - 実際の分析を進める
仮説をたて分析する対象が決まったらあとは検証をして結果を出していくフェーズの話。
各課題に対して優先度を決めて、自身が立てた仮説を贔屓せず俯瞰して実行する。
実行するときに大切なことは回転率をあげること。
最後の回転率をあげるというところが非常に面白かった。
著者の感覚ではあるが回転率をあげると良いという根拠が数値で表されており試してみたいと思わせるものでした。
答えありきで進めない
立てた仮説にひきづられて仮説を正しいと証明するために情報を集めてきてしまうことを気をつけないといけないと著者は述べている。
仮説を立てなければいくことがとても大切であることが本書の中で述べられ続けているがここではそれが裏目に出ることもあり得るのだなということを知れてよかった思う。
情報を集め分析をしている最中には常にこのことを意識して望むべきだと思った。
回転率とスピードを重視する
私も仕事をしているときに60%でいいのでできたものを提示するということを心がけている。
そうすることで自分が作成している方向が正しいのかを確認することができるしもっとよくするためのアイデアをフィードバックしてもらうことができるからだ。
本書でも60%を目処に議論を展開している。
60%以降からの完成度を上げていくのは非常にコストがかかり70%に持っていくのは60%にする時間の倍、80%にするのは4倍かかると述べている。
それを回避する方法として60%のことを一度したらもう1度検証のサイクルを回すことで80%に達する半分の時間で80%を超える完成度のものができると述べている。
イシューからはじめよ | 4章より
第5章 メッセージドリブン - 「伝えるもの」をまとめる
今までやってきたことをまとめ上げメッセージを人に伝わるものにするためには?というお話。
あんまりそういう場面はないのでざっと目を通した。
前半はどうやって内容をまとめるか後半は図表をどうわかりやすく作るかが書かれている。
まとめるポイントとして
聞き終わったとき、あるいは読み終わったときに、受け手が語り手と同じように問題意識をもち、同じように納得し、同じように興奮してくれているのが理想
イシューからはじめよ | 5章より
またストーリーラインを磨くプロセスとして「エレベーターテスト」が紹介されていた。
エレベーターテストとはもしCEOとエレベータに乗り合わせたときに30秒程度で自分のプロジェクトを説明できるかというものである。
仕事でプロジェクトの目的や概要を共有するためのフレームワークにインセプションデッキというものがあるがその中にもこのエレベータテスト(インセプションデッキの中ではエレベータピッチと言っている)がある。
本書ではこのテストで「自分がそのプロジェクトやについてどこまで理解し、人に説明することができるようになっているのか」を確認することができると述べている。
自分たちが端的に説明が行える状態になっていることを目的としている。あまりこの項目を作成するのは得意でないのでこの意識は参考にさせてもらおうと思った。