マクレガーのX理論・Y理論とは?人間観に基づくモチベーション理論

モチベーション理論の1つ、『マクレガーのX理論とY理論』はあまり聞いたことがないかたも多いのではないでしょうか。

なんか難しいそうですが実はものすごく単純で知ると「確かに」となります。

簡潔にいうと人間は否定的側面(X理論)と肯定的側面(Y理論)の両面を持ち合わせています。

そしてモチベーションを向上させるためには肯定的側面(Y理論)に基づいた動機付けをする必要があるとマクレガーは提唱しています。

人間は否定的な面も肯定的な面も持っているけど肯定的な側面をうまく利用してモチベーションを上げていこうといったモチベーション理論です。

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マクレガーのX理論・Y理論とは? X理論とY理論の特徴

マクレガーのX理論とY理論は人間観に基づくモチベーション理論を述べたものです。

X理論における人間観

X理論は、従来からの人間観を表したものです。

人間の否定的な側面に目をむけています。

  • 人間は生まれつき仕事が嫌いで、できることなら仕事をしたくない存在である
  • 人間は強制されたり罰すると脅されなければ仕事をしない
  • 人間は命令され、統制されないと能力が発揮されない
  • 人間は命令されることを好み、責任を回避しようとする

マズローの欲求段階でいうと低次元の欲求段階にいる人いうことになります。

Y理論における人間観

Y理論は、新しい人間観といえます。

人間の肯定的な側面に目をむけています。

  • 人間は生まれつき仕事が嫌いと言うわけではなく自分で決めた目的のためには進んで働く存在である
  • 人間は自分で決めた目標を達成するために報酬や条件次第では進んで責任を引き受けたり、創意工夫をする
  • 人間は条件次第で自分から進んで責任をとろうとする

マズローの欲求段階では、高次元の承認欲求や自己実現の欲求段階にいる人ということになります。

マクレガーのX理論・Y理論を利用した具体的な対応

マクレガーはX理論の人間観はマズローの低次の欲求しか持たないので命令と統制の管理が必要としています。

しかし命令と統制の管理では従業員の知的能力が発揮されておらずより高次の欲求を満たすためにはY理論に基づいた動機付けが必要と考えています。

Y理論に基づく動機付けの具体的な方法としては以下のようなことが挙げられています。

  • 目標管理制度(MBO:Management By Objectives)
  • 権限移譲
  • 職務拡大

目標管理制度(MBO:Management By Objectives)とは、個人の目標を設定し、設定した目標を自主的に達成していく管理方法です。

自信で設定した目標を達成することで創意工夫ややる気を引き出すことを狙いとしています。

マクレガーのX理論・Y理論 - 中小企業診断士の過去問チェック

マクレガーのX理論・Y理論が問いとして扱われている『平成19年度 第15問』と『平成29年度 第16問』を見てみます。

平成19年度 第15問

組織における個人のモチベーションに影響を与える内的要因として欲求理論がある。

欲求理論に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア アルダファーが提唱したERG理論は、欲求を存在欲求・関係性欲求・成長欲求の"つの次元に分類し、低次の欲求が満たされないと高次の欲求はモチベーション要因とはならないと主張した。

イ ハーズバーグが主張した!要因論によれば、動機づけ要因と衛生要因には高い相関関係があり、衛生要因を充足しなければモチベーションは起こらないという。

ウ マグレガーは、管理者が部下に対して持つ人間観の理念型として、X理論・Y理論を提唱し、Y理論に従うと、部下を意思決定に参加させる方が仕事への意欲が高まるとした。

エ マクレランドは、欲求を達成欲求・権力欲求・親和欲求に分類し、達成欲求の高い従業員が優れた管理職になると主張した。

オ マズローが主張した欲求階層説によれば、自己実現など上位の欲求のほうが、モチベーション要因として強く作用するという。

正解:ウ

マクレガーは人間の見方として否定的側面(X理論)と肯定的側面(Y理論)の2つのモデルを提示していました。

そしてモチベーションをあげるためにはY理論に基づいた施策を打つことが必要であるとしています。

Y理論に従うことで部下の仕事の意欲が高まるとしているのでウの記述は正しいです。

平成29年度 第16問

モチベーション理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア A. マズローの欲求段階説は、多様な欲求が同時に満たされることによって、個人のモチベーションが階層的に強まっていくことを提唱した。

イ D. マクレガーのX理論とY理論は、個人は肯定的側面と否定的側面の両面を併せ持つことを示し、状況に応じてモチベーションを刺激する組み合わせを変化させる必要性があることを提唱した。

ウ D. マクレランドの三欲求理論によれば、報酬や社会的な成功よりも個人的な達成感を強く求める人は、自分の能力を超えたチャレンジングな仕事を好み、他者と親和的な関係を結ぶリーダーになろうとする傾向を持つことを提唱した。

エ F. ハーズバーグの二要因理論では、従業員が不満足を知覚する衛生要因と、満足を知覚する動機づけ要因を独立した要因として捉え、必ずしも不満足を解消せずとも、モチベーションを高めることができることを提唱した。

オ V. ブルームの期待理論によれば、モチベーションは将来に対する合理的な計算として捉えられ、特定の努力によって実現される目標の期待値と、目標を実現することによって得られる報酬の期待値の総和として把握できることを提唱した。

正解:エ

マクレガーのX理論とY理論では人間は否定的側面(X理論)と肯定的側面(Y理論)を持っているとの記述は正しいです。

しかしモチベーションを向上させるためには組み合わせるのではなくY理論に基づいた動機付けをする必要があるとされています。

よってイの記述は誤りです。

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