マズローの欲求段階説とは?現代では自己実現の欲求が強い

『マズローの欲求段階説』、モチベーションという言葉に関連して一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

内容としても難しくなく中小企業診断士の試験にも幾度か出題されているので確実に押さえておきたい内容です。

マズローの欲求段階説は以下のような特徴を持っています。

  • 5つの段階が存在する
  • 5つの段階は同時にではなく段階的にかつ不可逆なもの
  • 5つの段階をさらに欠乏欲求と成長欲求に分けることができる

上記の特徴を押さえながらマズローの欲求段階説の詳細を説明していきます。

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マズローの欲求段階説とは?

マズローの欲求段階説

マズローは人間のもつ欲求を次の5つの段階に分けている。

低い欲求が満たさせることによって上の段階の欲求が生まれると考えられている。

より高い欲求が満たされない時に低い欲求を満たそうとはせず欲求の移り変わりは不可逆であると考えられています。

また1〜4段階の承認欲求までを『欠乏欲求』として最後の自己実現の欲求を『成長欲求』としています。

欠乏欲求は自分の外、自分以外のモノによってしか満たすことができないとされています。

成長欲求は自分の内から来るもので満たされるほどにいっそう関心を強化される成長動機とされています。

  1. 生理的欲求
  2. 安全の欲求
  3. 社会的欲求(所属と愛の欲求)
  4. 承認欲求(尊厳の欲求)
  5. 自己実現の欲求

第1段階:生理的欲求

食べたい、飲みたいなどの生きていくために最低限必要な欲求

人の最も根本的な欲求で人間の生存に関わる本能的な欲求。

第2段階:安全の欲求

生理的欲求が満たされた次の段階。

雨や風、危険を避けることができる家や雇用の保証などからくる欲求。

第3段階:社会的欲求(所属と愛の欲求)

安全の欲求が満たされた次の段階。

集団や社会に所属、適合して他社との愛情や友情を充足したいという欲求。

安全であることが確保されると他社との触れ合い、愛情を求めるようになります。

第4段階:承認欲求(尊厳の欲求)

社会的欲求が満たされた次の段階。

他者から認められたい、尊敬されたい、もしくは自分が他社より優れていると認識したい欲求。

自我の欲求や自尊の欲求とも言われており自他からの自分への評価に関心が出てきます。

第5段階:自己実現の欲求

承認欲求が満たされた次の段階、最終段階。

自分の可能性を発揮したい、創造的活動をしたいという欲求

現代では『マズローの欲求段階説』の自己実現の欲求が強くなっている

モノがあふれている現代ではどの欲求が強く現れているのでしょうか?

日本だけで考えるとほとんどの人が第3段階の社会的欲求までは満たされているのではないかと思います。

よって第4段階の承認欲求、そして第5段階の自己実現の欲求が強く現れているのではないでしょうか?

TwitterやYoutubeなどで誰でも気軽に自分を発信することができるようになり、いいねをもらうことで承認欲求が満たすことが快感となっていることもあるでしょう。

また仕事に関しては自分にできることはないか? と対価の大きさだけでなく自分を表現したり自分で創作する欲求が高まっているように思います。

マズローの欲求段階説 - 中小企業診断士の過去問チェック

マズローの欲求段階説が問いとして扱われている『平成29年度 第16問』と『平成30年度 第15問』を見てみます。

平成29年度 第16問

モチベーション理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア A. マズローの欲求段階説は、多様な欲求が同時に満たされることによって、個人のモチベーションが階層的に強まっていくことを提唱した。

イ D. マクレガーの X 理論と Y 理論は、個人は肯定的側面と否定的側面の両面を併せ持つことを示し、状況に応じてモチベーションを刺激する組み合わせを変化させる必要性があることを提唱した。

ウ D. マクレランドの三欲求理論によれば、報酬や社会的な成功よりも個人的な達成感を強く求める人は、自分の能力を超えたチャレンジングな仕事を好み、他者と親和的な関係を結ぶリーダーになろうとする傾向を持つことを提唱した。

エ F. ハーズバーグの二要因理論では、従業員が不満足を知覚する衛生要因と、満足を知覚する動機づけ要因を独立した要因として捉え、必ずしも不満足を解消せずとも、モチベーションを高めることができることを提唱した。

オ V. ブルームの期待理論によれば、モチベーションは将来に対する合理的な計算として捉えられ、特定の努力によって実現される目標の期待値と、目標を実現することによって得られる報酬の期待値の総和として把握できることを提唱した。

正解:エ

マズローの欲求段階説は同時ではなく、段階的にかつ不可逆に満たされることによりモチベーションが強まっていくとされている。

同時に満たされることで強まっていくわけではないのでアの記述は誤りです。

平成30年度 第15問

働き方や価値観の多様化とともに、外発的動機づけに加え、内発的な動機づけがいっそう重要になっている。

内発的な動機づけに関わる代表的な論者による説明として、最も不適切なものはどれか。

ア A.マズローの欲求段階説における自己実現欲求は、外発的に動機づけられるものではなく、自分自身の理想を追い求め続けることを通じた内発的な動機づけとも考えられる。

イ E.メイヨーとF.レスリスバーガーのホーソン実験では、従業員が自分たちの作業条件を決定することによって内発的に動機づけられていたことを発見し、これをホーソン効果と呼んだ。

ウ M.チクセントミハイは、特定の作業に没頭する中で、自身や環境を完全に支配できているという感覚が生まれることをフロー経験と呼び、そうした経験は他者からのフィードバックも必要とせず、給与などの報酬とも無関係であるとした。

エ R.W.ホワイトが提唱するコンピテンス(有能性)概念では、環境と相互作用する有機体の能力自体が、「うまくいった」という内発的な動機づけの源泉となる。

オ 内発的動機づけを概念として広く知らしめたE.デシは、報酬のためにやらされているのではなく、自分の好きにやっているという自己決定が重要であるとした。

正解:イ

自己実現欲求は外発的なものではなく内から湧き上がる内発的な動機付けのためアの記述は正しいです。

マズローの欲求段階説のまとめ

マズローの欲求段階説でおさえておきたいポイントは以下の通りです。

  • マズローの理論には5つの段階がある
  • 5つの段階は段階的かつ不可逆である
  • 5つの中でも4段階までを欠乏欲求、最後を成長欲求とし成長欲求は内発的に湧き上がってくるものである

他にも様々なモチベーション理論がありますがマズローの欲求段階説を軸に発展させたものが多いので基本としてしっかりとおさえておきたいです。

あわせて知っておきたいモチベーション理論
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