貸借対照表から会社の財務状況を把握し、安全性を確認しよう

貸借対照表の見方がわかるようになれば次は安全性をみてみましょう。

貸借対照表の項目から会社の支払い能力を分析することができます。

主な指標としては以下の3つです。

  • 流動比率
  • 当座比率
  • 固定比率

上記の3つがわかると短期的な支払い能力は大丈夫なのか? 長期的な支払い能力は大丈夫なのか? がわかります。

会社を維持し拡大させるために適切な財務状況であるかを確認できるようにしましょう。

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まずは流動比率で短期的な安全性をチェック

まずは流動比率で短期的な安全性をチェック

会社の安全性を確認する場合にまずみたいのは流動比率です。

流動資産と流動負債の比率で算出されます。

流動資産 ÷ 流動負債 × 100 = 流動比率(%)

例えば流動比率が100%の会社ということは1年以内に払わなければいけない負債に対して1年以内に現金化できる資産を全て持っているということになります。

逆に100%を切っている場合は現在持っている資産では返せないので新たに借入を行う必要があります。

会社の短期的な支払い能力をみることができる指標です。

流動比率は高い方がよい?低い方がよい?

基本的には高い方がいいとされています。

流動比率が150%ほどあれば安全とされており、100%を切ってくると要注意とみることができます。

しかしあくまで一般的なところでの目安ですので業種によって考えを変える必要がある場合もあります。

例えば電力、ガス会社などのインフラ系は流動比率が低いことが多いですが回収が確実で資金化が早いため100%を切っているからと言って安全性が低いとは言えません。

また逆にすごく流動比率が高くともほとんど借入がない(無借金である)場合にも注意したいことがあります。

借金をすることは事業に投資をすることでより早い成長を促すことができます。

市場が成熟しており競争が激しくないのであればよいかもしれませんが競争が激しい場合には負けてしまう可能性があります。

流動比率を確認するときには対象の企業の背景も含めて考慮する方がよいでしょう。

本当に資産? 正しく数字をみたい4つの視点

流動資産は1年以内に現金化ができるものとされていますが確実に現金化できるかというと実は注意しなければいけない点があります。

注意しなければいけない点としては以下の4つです。

  • 不良債権
  • 滞留在庫
  • 含み損
  • 担保提供

不良債権

会社の取引はつどつど現金で行われることはほとんどなく、掛けや手形を使ってまとめて精算されます。

この売掛金や受取手形は流動資産とされていますが相手の事情によって回収ができておらず不良債権となることがあります。

不良債権が多くあると表面上の流動比率と大きく乖離が出てくるので注意が必要です。

滞留在庫

売れていない商品は棚卸資産として計上されています。

棚卸資産が流行遅れなどでもう売れる見込みがほとんどない商品であったりすると実際にはお金が入ってくることがありません。

過去の数値と比較して棚卸在庫が増えていっているような場合は在庫処分に苦しんでいるのはないかと注意した方がいいでしょう。

含み損

有価証券の計上額は決算時の時価とされています。

よって現在の時価が大きく値下がりしているような場合には実際に得られるお金と大きな乖離が発生します。

担保提供

定期預金や有価証券は借入金の担保とされていることがあります。

担保に入っている場合には現金化をすることが難しく、さらに固定負債の担保となると流動資産として考えることはほとんど難しくなってしまいます。

厳し目に安全性を評価する当座比率

厳し目に安全性を評価する当座比率

流動資産は大きく3つの分類に分けられます。

  • 当座資産
  • 棚卸資産
  • その他

3つの中でも当座資産には現金・預金、受取手形・売掛金などが含まれており現金化しやすいものが含まれています。

一方で他の2つは商品の在庫だったりするのでお客様に売って、さらに掛けになり回収して現金化になることもあるので当座資産と比べるとだいぶ遅くなってしまいます。

当座比率は当座資産のみを対象とすることでより厳しく会社の安全性を確認するものになっています。

当座比率 = 当座資産 ÷ 流動負債

当座比率は100%以上あればまずは大丈夫

日本企業の当座比率の平均は80%強ぐらいです。

100%以上あればまず短期的な支払いに関しては問題ないと考えてよいでしょう。

ただ前述したとおり当座資産の中には手形や売掛などがありますので不良債権が含まれていないかなどには注意が必要です。

長期的な安全性は固定比率をチェック

会社が長期で保有する土地、建物、生産設備などの固定資産の購入を自己資本でどれだかまかっているかで長期的な安全性を確認することができます。

長期的な安全性を確認するには固定資産と自己資本を使います。

固定資産 ÷ 自己資産 × 100 = 固定比率

返済する必要がある他人資本に頼らずに自己資本でどれだけまかなえているかで安全性を確認することができます。

固定比率は低いほど安全性が高い

固定比率は低いほど安全性が高いといえます。

固定比率が100%未満であれば自己資本で全てまかなっていると考えることができ安全性が高いといえます。

固定比率が100%を超えている場合は会社が外部にお金を借りて購入していると考えることができます。

『貸借対照表から会社の財務状況を把握し、安全性を確認しよう』のまとめ

貸借対照表か会社の安全性を確認するポイントは以下のとおりです。

貸借対照表から会社の安全性を確認するポイント
  • 安全性を確認する指標は流動比率、当座比率、固定比率の3つ
  • 流動性は短期的な会社の支払い能力を確認できる
  • 当座比率を流動性をさらに厳しく見るときに使える
  • 固定比率は長期的な会社の支払い能力を確認できる

会社の安全性がわかるようと倒産の心配がないかと言う最大懸念を解消することができるようになりますのでぜひおさえておきましょう。

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