経験曲線効果とは累積生産量が増えることで生産コストが減少していくことです。
作業者の習熟度や設備の改善などによって得られる効果と考えられています。
自分で何か単純な作業をやっていても初めてやることと1週間後ではかなり効率が変わってくるかと思います。
かなり効率が上がるといったことが企業きぼで発生している感じなのでかなり大きな影響があります。
経験曲線効果を得るためにはいかに早くシェアを獲得して生産量を増やせるかが重要になってきます。
経験曲線効果とは?
経験曲線効果とは製品の累積生産量が増加するにともない製品1単位あたりの生産コストが減少するという効果です。
一般的には1つの製品の生産量が2倍になるとコストが2〜3割も減少するとされています。
なぜコストが減少するかというと作業者の熟練度が上がったり、生産の仕組みや設備を改善するといった経験が蓄積されていくためです。
経験曲線効果は市場シェアが高い企業がコスト面で有利になります。
なぜなら他の企業よりも累積生産量が多くなり、作業者の熟練、改善の経験値などの蓄積量が多くなるためです。
さらにコストを削減できよりシェアと利益を高めていくことができます。
日本でも年功序列での評価がどんどん無くなってきており、成果にて評価されるようになってきています。
しかし転職する際にはどうしても前年の給料を基準にして給与交渉されることがほとんどです。
私も転職を4回しましたが全て前職の給与を基準に話を進めてましたが正直もっと早く転職をしておけば良かったと思っています。
転職することで給与をあげることはあまり難しくありません。
また新たな環境に移ることは大変な苦労がありますが大きな成長ももたらしてくれます。
なので一定のビジネススキルをつけたなら早めに転職を行い給与をあげていくことは重要な戦略になります。
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経験曲線効果と製品ライフサイクル
経験曲線効果は早くシェアを獲得して累積生産量を増やすことが重要になります。
シェアを獲得するには他社よりも早く積極的に投資を行い生産量・活動を増加させることが必要です。
製品ライフサイクルの導入期から参入できるかがポイントになってきます。
上記の図は製品ライフサイクルと単位あたりのコストが表されています。
成長期~成熟期へとライフサイクルが移行するにあたりコストが一気に下がっていることがわかります。
これは作った製品の累積生産数が増加することで製品の生産コストが減少する経験曲線効果が発揮されていると考えることができます。
経験曲線効果とPPM(プロダクト・マーケット・ポートフォリオ)
PPM(プロダクト・マーケット・ポートフォリオ)は市場成長率と相対的市場占有率の2軸で事業のバランスを視覚化するものです。
相対的市場占有率が高いということは累積生産量が増え、習熟度の向上と改善の経験値が増えるため経験曲線効果がえられると考えられています。
PPMは多く作れば安く作れるという経験曲線効果が前提として考えられています。
PPMでは市場占有率が高いことで以下のような流れでキャッシュフローが増加していくと考えられています。
- 市場占有率が高いことで累積生産量が多くなる
- 経験曲線効果が大きく得られる
- 生産コストが減少していく
- 資金の流出が減少する
- キャッシュフローが増加する
経験曲線効果と市場浸透価格戦略(ペネトレーションプライス)
市場浸透価格戦略は新製品に安く設定し大量に販売することで高いシェアを獲得する戦略です。
なぜ価格を安くしてまでもシェアを獲得したいかというと競合他社よりも規模の経済性や経験曲線効果をより早く発揮することができるからです。
規模の経済性や経験曲線効果をより早く発揮する結果、競合よりも安いコストで生産できるようになるためより安い価格で販売することができ高いシェアを維持し続け良い循環を築くことができます。
市場浸透価格戦略を成立させるためには以下の2つがポイントになります。
経験曲線効果と規模の経済の違い
よく混同してしまうのは規模の経済と混同してしまいがちです。
規模の経済は生産量が高まることで1つあたりの製品コストが下がることを言います。
同じように感じますが経験曲線効果とは1つ単語が抜けているかと思います。
『累積』ですね。
経験曲線効果は累積生産量が増加するにつれて、生産の経験が蓄積されることによりコスト低減が発生します。
大雑把にいうと規模の経済はめっちゃくちゃいい設備をバーンと揃えることで発揮することができるので時間に依存しないものです。
逆に経験曲線効果はあくまで累積なので効果を得るまでには時間がかかってしまいます。
ただ規模を拡大しなくても時間とともに累積生産量は増加することにより経験曲線効果は得られることができます。
- 規模の経済性や経験曲線効果が発揮できる
- 需要の価格弾力性が高い
経験曲線効果 - 中小企業診断士試験の過去問チェック
企業経営理論の平成26年度 第7問をチェックしてみましょう。
企業経営理論 - 平成26年度 第7問
規模の経済と経験曲線および経験効果に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 規模の経済と経験効果は連続的に生じ、コスト低下の効果が生じない停滞期間が存在することは少ないが、物理的な特性が効率性の向上の水準を制限する場合もある。
イ 規模の経済の追求には相当額の投資が必要であり、多くの場合、特殊化した資産が投資対象となって長期間にわたって実現されるコストの減少を通じた投資回収を目指す。
ウ 規模の経済は、ある一定程度の総生産量が増加することによるコストの低下を指し、大規模な工場施設の建設などで模倣することはできるが、経験効果の構築にはある程度の時間を必要とする。
エ 規模の経済は、業界内において利益をあげられる企業数の上限を決定する一因となり、市場規模に対する生産の最小効率規模が大きいほど、当該業界に存在できる企業数は少なくなる。
オ 経験曲線は累積生産量の増加に伴ってコストが低下することを表し、累積生産量に対応する技術の進歩や改善等の要因からも生じるが、生産機能において生じる経験効果に限定されない。
正解:ア
アの内容
経験効果は連続的に生じますが規模の経済は連続的に行うことができない場合があります。
大規模設備を投入した時には停滞期間が生じるため途切れてしまいます。
よってアの内容は誤りで選択肢としては正解です。
イの内容
規模の経済は生産量が高まることで固定費が薄まり利益が大きくなっていきます。
そのためには大規模な投資などが必要になってくることがほとんどです。
よってイの内容は正しいです。
ウの内容
規模の経済は大規模な設備投資によって実現が可能なので潤沢な資金があれば模倣することが可能です。
しかし経験曲線効果は累積生産量の増加によるものでなので時間がかかってしまいます。
よってウの内容は正しいです。
エの内容
最小効率規模が大きいとは大規模で高額な設備が必要とし損益分岐点売上高が高いことです。
大規模で高額な設備投資や維持するのを可能な企業が独占状態や寡占状態を作り出すことで新規参入を困難にし存在できる企業が少なくなります。
よってエの内容は正しいです。
オの内容
経験曲線効果は累積生産量によって生産機能の改善によって生産コストを低下することができます。
また仕事の専門化と方法の改善や費用節約などの資源活用といった会社全体としての取組みとして行われるものもあ経験曲線効果とされるため生産機能以外からも効果があります。
よってオの内容は正しいです。
『経験曲線効果とは?PPMや製品ライフサイクルとの関係』のまとめ
経験曲線効果のポイントは以下の通りです。
- 累積生産量が増えることで生産コストが減少していく
- いかにシェアを早くとり累積生産量を増やせるかが重要
- 経験曲線効果は時間に依存するものであり模倣はされにくい
経験曲線効果は他のフレームワークなどとの関連も多いのでポイントをしっかりとおさえておきましょう。