マーケティングマネジメント戦略では環境分析を行い、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング行い、マーケティングミックスを構築します。
マーケティングミックスは一般的な切り口として利用されているものは4Pです。
4Pは製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)で構成されています。
4つのうち製品について書いていきます。
製品とは欲求やニーズを満たすことのできる市場に提供されたすべてのものを対象にしています。
また製品は購買頻度や価格などによって分類されています。
製品の定義
コトラーは製品とは興味、所有、使用、消費という目的で市場に提供され、欲求やニーズを満たすことのできるものすべてを対象にしています。
物理的な製品だけでなくサービスや人材、場所、組織、アイデア、そしてこれらを組み合わせたものを製品とします。
例えば金融サービスや人材派遣、レンタルオフィス、コンサルティングなども製品と言えます。
またサービスとは一般的には無形で所有権をもたらさないもののことをいいます。
顧客にとってベネフィットや満足感を提供できる製品を開発することが利益をあげる鍵になっています。
一方で良い製品を作れば必ずしも利益をあげれるわけではないことに注意が必要です。
4Pについて考慮したマーケティングミックスを構築して標的市場に対して最適な製品、サービスを提供することが重要になります。
Webマーケティング学習に重要なのは実務経験です。
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製品の3層モデル
製品開発担当者が考慮すべき点をコトラーは3階層のレベルで定義しています。
- 製品の核
- 製品の形態
- 製品の付随機能
製品の核
製品の核は顧客が製品に求めるベネフィットを定義しています。
ベネフィットとは便益と訳され顧客のためになることという意味です。
例えばダイエットのマンツーマン指導を受けたいという人は単純に体重を落とすのではなく健康や異性にモテたいという欲求があるかもしれません。
化粧品を購入する人は単に唇に色を塗るものを求めているのではなく、美しさや満足感を求めているかもしれません。
製品を企画する時にはマーケターは自分たちが作り出す製品が顧客に対してどんなベネフィットを提供できるのかを定義することが重要です。
製品の形態
製品の核の1つ外側にあるのが製品の形態と呼ばれる部分です。
製品の実体部分で製品の核を具体化したものと言えます。
以下の5つの特性があります。
- 製品のデザイン
- ブランド名
- パッケージ
- 特徴
- 品質水準
これらの5つの特性を組み合わせることで顧客に適切にアピールすることができます。
製品の付随機能
たいていの製品はベネフィットと実態と共に付加的なサービスを提供しています。
この付加的なサービスが製品の形態の外側にあるのが製品の付随機能です。
例えば家電の設置、アフターサービスや製品の保証、などが製品の付随機能としてあげられます。
例えば、スマホの場合、顧客のニーズは孫とテレビ電話がしたいということかもしれません。
このような場合にただスマホを販売するだけでなくスマホで何をしたいかをヒアリングしそれに適切なアプリを導入し設定するなどのサービスが考えられます。
商品をただただ売るだけでなくいかに付加的なサービスを提供するかで顧客満足度が大きく変わってくるため重要な要素となっています。
製品の分類
製品は大きく分けて有形財と無形財に分けられます。
有形財にはさらに消費財と産業財があります。
消費財は最終消費者や家庭で使用される製品のことで私たちが一般的に購入している製品と言えます。
産業財は業務者用品、生産財とも呼ばれ、産業用資材として他の製品の生産や事業活動に使用するために購入される製品です。
さらに消費財に関しては消費者の購買特性の違いによって以下の4つに分類することができます。
- 最寄品
- 買回品
- 専門品
- 非探索品
最寄品
最寄品は食料品や日用品のように購買に時間をかけず頻度が高い製品のことです。
具体的な商品例としてはタバコ、新聞、コーヒーなどがあげられます。
最寄品の特徴は以下のようなことがあげられます。
- 購買頻度が高い
- 計画性、購買努力がほとんどない
- 低価格
- 広範囲の流通
- マス広告、プロモーション
最寄品は計画的に購入されるのではないので製品へ以下に気づいてもらうかが重要になってきます。
店舗でいうと陳列の仕方などが大きく売上を左右してきます。
最寄品の購買行動のタイプは日常的反応行動として多く見られます。
買回品
買回品は消費者が比較して探し回るような製品です。
具体的な商品例としては家具や家電などがあげられます。
買回品の特徴は以下のようなことがあげられます。
- 購買頻度が低い
- 計画性、購買努力が高い
- やや高価格
- 販路は少なめで選択的流通
- 生産者と販売店による広告と人的販売
最寄品と違い時間をかけて情報を収集し他の製品との比較をしっかりと行います。
基本的には価格が高く個別性が強い製品が多いです。
買回品の購買行動のタイプは限定的問題解決として多く見られます。
専門品
専門品は価格が高く、買回品よりもさらに購買頻度が低く、より時間をかけて調査する製品です。
具体的な商品例としては高級自動車や高級ブランドなどがあげられます。
専門品の特徴は以下のようなことがあげられます。
- 購買頻度はとても低い
- 計画性、購買努力がとても高い
- 高価格
- 販路は1つもしくはごく少数、限定的流通
- 生産者と販売者による慎重にターゲットを定めたプロモーション
購入するにあたり多くの知識とこだわりを必要とする製品です。
基本的には製品単価が高く販売しているお店も少ないので購入する側はピンポイントで購入します。
専門品で生き残るためにはブランドの構築、維持を最も重要にしたマーケティング戦略が必要になってきます。
専門品の購買行動のタイプは拡大的問題解決として多く見られます。
非探索品
最後の分類として非探索品です。
非探索品は認知・不認知にかかわらず購入されづらい製品です。
具体的な商品例としては生命保険などがあげられます。
非探索品の特徴は以下のようなことがあげられます。
- 認知や知識がとても低い
- 関心がかなり低い、もしくはマイナス
- 価格はさまざま
- 販路はさまざま
- 生産者と販売者に積極的な広告と人的販売を必要とする
非探索品は関心度の低さから何もしないと売れないのでかなりの広告、人的販売、その他のマーケティングを必要とします。
製品の定義と分類 - 中小企業診断士試験の過去問チェック
平成21年度 第25問
消費者が買い求めるさまざまな商品は、購買習慣に基づいて、最寄品、買回品、専門品、非探索品に分類される。これらに関する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
ア 購買頻度が高く、即座に商品が引き渡されることが要求され、かつ比較や購買に際して最小限の努力しか払おうとしない商品は最寄品に分類される。
イ 専門品の購買行動では、消費者が買い物の途中で選好を明確にするが、買回品の場合、買い物出向に先駆けて選好が確立している。
ウ 非探索品とは、消費者がその製品・サービスに対する必要性が生じるまでは意識したり、興味を抱いたりすることのないものを指す。
エ 最寄品と買回品の区分は探索性向の水準の高低に基づいている。前者ではこの水準が極めて低く、後者では高くなっている。
正解:イ
アの内容
最寄品は購買頻度が高く、計画性、購買努力がほとんどありません。
よってアの内容は正しいです。
イの内容
専門品は強力なブランド選考やロイヤルティを持つとされているため事前に選考が確立されていると言えます。
一方で買回品はブランド選考は確立されていないため実際の店舗で見て比較検討し選考を明確にしていきます。
よってイの内容は誤りです。
ウの内容
探索品は認知や知識がとても低く、関心がかなり低い、もしくはマイナスな製品です。
通常商品を購入しようと思わない商品です。
よってウの内容は正しいです。
エの内容
探索志向は購入する際に商品に関する情報を収集するための努力をどれほどするかの度合いと言えます。
最寄品は購買努力は少なく、買回品は購買努力が多いのが特徴です。
よってエの内容は正しいです。
『マーケティングにおける製品の定義と分類』のまとめ
製品の定義と分類のポイントは以下のとおりです。
- 製品とは興味、所有、使用、消費という目的で市場に提供され、欲求やニーズを満たすことのできるものすべてを対象
- 製品の3層モデルは製品の核、製品の形態、製品の付随機能の3つのレベルで構成されている
- 最寄品は日常購入する食料品や日用雑貨で購買頻度が高く、低価格、時間や労力をかけずに購買されるのが特徴
- 買回品は家具、家電のような製品で最寄品に比べ、購買頻度が低く、価格は高い
- 専門品は価格が高く、買回品よりもさらに購買頻度が低く、より時間をかけて調査する製品、具体的には高級自動車や高級ブランドがあげられる
- 非探索品は認知・不認知にかかわらず購入されづらい製品、関心度の低さから何もしないと売れないのでかなりの広告、人的販売、その他のマーケティングを必要とする