褒めることは部下のモチベーションアップには欠かせない行為ですが実は叱ることも非常に重要な行為です。
褒めると叱るは車の両輪のようなものでバランスが取れてこそ目標を達成していけます。
ただし叱るというと「何やってんだお前は!ちゃんと説明したじゃないか!!どうして出来ないんだ!!!」というような言い方を想像していませんか?
これは『叱る』ではなく『怒る』です。
叱ることは問題点を指摘して部下に気づきを与え、行動を正すことです。
この記事では『怒る』と『叱る』の違いと上手な叱り方について説明していきます。
怒ると叱るの違い
褒めると同じように大切な行為が叱るです。
ただよく『叱る』ではなく『怒る』をやっている人を見かけます、それでは部下のモチベーションは下がる一方です。
『怒る』というのは「何やってんだお前は!ちゃんと説明したじゃないか!!どうして出来ないんだ!!!」というように感情に任せて相手を攻撃することです。
ただただ自分の感情をぶつけているだけで何も相手は得るものがありません。
あるとしたら不快感だけです。
一方で『叱る』のは相手のことがまず第一にあります。
怒った現象から問題点を抽出して指摘することで部下に気づきを与えます。
その気づきから本来して欲しい行動を促していくのです。
部下を成長させて高い成果をあげれるようにすることでさらにモチベーションもあげることができます。
どうしても怒ってしまう・・・
『怒る』ことは部下を萎縮させるしモチベーションも下がっていくのでできる限り避けたい行為です。
と言っても時にはカッとなって怒ってしまうこともありますよね。
怒ってしまうのは真剣に向き合っている証拠とも言え、無関心であることよりもずっといいかと思います。
ただし怒ってばかりだと部下のモチベーションは下がっていくことになるので怒りをコントロールする術を身につけるようにしましょう。
一般的に怒りを沈めるために良いとされていることは以下のようなことです。
- 怒りを感じたら6秒間をやり過ごす
- 怒りを感じたらいったんその場を離れて鎮まるのを待つ
- 怒りを感じたら数字を数える
- 怒りを感じたら深呼吸をする
- 視点を変えて物事を見直す、自分以外の相手や第3者として物事をみる
などがあります。
どれも習慣にして怒りをコントロールすることは難しいのですがやってみることはすぐにできますのでぜひ1つ1つ試してみましょう。
また怒りのコントロールの仕方についても別に記事を書いていますのでよければ下の記事をご覧ください。
上手な叱り方
褒めるも叱るも実は目的は同じで部下に成長してもらい能力を引き出すことです。
叱られても自分は認められていて指摘された課題をクリアすればもっとできると思ってもらえるようにしたいです。
叱ったのに部下の行動に変化が見られない場合は部下が悪いのではなく叱り方がよくないのかもしれません。
上手に叱るためには以下のようなことを意識しておきましょう。
- 指示は適切だったか
- 人格や性格を否定する言葉を使わない
- 人前では叱らない
- 叱る時は短く簡潔に
指示は適切だったか
まずチェックしたいのが指示が適切だったかということです。
そもそも自分が出した指示が明確でなかったり、仕事量が多かったりした場合はどんなに叱り方を上手にしても意味がありません。
叱る前にまず自分の指示が適切であったかを確認しましょう。
不適切であった場合には叱るのではなく反省し、部下に謝ることも大切です。
人格や性格を否定する言葉を使わない
「お前は何もできないな」、「何回言ってもだめだな、使えない」などと言われると聞く気も失せますしモチベーションもガタ落ちです。
前述したとおり叱ることの目的は問題を指摘して改善してもらうことにあります。
問題点と事実を指摘し具体的な指示を出すようにしましょう。
人前では叱らない
「1人を叱ると見せしめ効果があって周りも引き締まるんですよ」と言った話を聞いたことがありますがあまり効果的ではないです。
現場の雰囲気は悪くなりますし「怒られないためにしよう」と言った感情が働き、最悪の場合には面従腹背と言った表面だけ服従しているような形になりかねません。
叱るときにはその場ですぐに叱るのではく2人きりの状況を作って叱るようにしましょう。
「ちょっと別のところに行こうか」と言って会議室などに場所を移すのが良いです。
叱る時は短く簡潔に
叱るときには簡潔にしましょう、短ければ短いほど良いです。
「あの時もそうだった」と過去の話を持ち出したり、「あれもできていないよね」と全然別件を持ち出したりするのはよくないです。
目安としては30秒以内に終わらせたいです。
なぜ30秒かというと内容をシンプルにできますし、自分が感情的になることも防ぐことができます。
学習効果はシンプルであるほど高まります、叱るときはシンプルに短くを徹底しましょう。