マーケティングミックスの要素の1つに価格があります。
価格はマーケティングミックスの要素の中で最も重要と言っても過言ではありません。
価格は他の要素とは違い唯一の収益を生み出す要素と言えます。
また他の要素に比べて柔軟に設定できます。
価格設定によって様々な影響があり代表的な要因には以下の6つがあります。
- 企業・マーケティング目標
- コスト
- 競争戦略
- 競争地位別戦略
- 需要の価格弾力性
- 法規制
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価格とは?
価格とは製品やサービスに対してつけられた金額です。
もう少し突っ込んだ言い方をすると製品やサービスの所有、利用から得られるベネフィットと交換に消費者が支払う価値の総称と言えます。
価格はマーケティングミックスの中で唯一の収益を生み出す要素です(他の要素は全てコストになる)。
また価格はマーケティングミックスの中で最も柔軟性のある要素と言えます。
すごく良い製品を作り、素晴らしい広告で世に知れ渡ったとしても価格次第では全く売れないことがあるのでとても重要な要素です。
経営の神様と言われる稲盛和夫の言葉にも「値決めは経営である」とあるくらいです。
価格の特徴
価格は大きく3つの特徴を持っています。
- 価格が収益を生み出す要素である
- 価格の水準が他のマーケティングミックスの要素にも影響を与える
- 価格レベルによって需要数量が変わり、コストの水準にまで影響を与える
価格が収益を生み出す要素である
価格以外のマーケティングミックスは基本コストになります。
また需要数量に影響を与えることで売上をあげることができますが外部要因の影響を受けます。
一方で価格は直接的に売上に影響を与えると言えます。
価格の水準が他のマーケティングミックスの要素にも影響を与える
広告の表現のあり方や販売員の提供される情報などによって消費者は「この商品は価格が高そう」といったことを考えます。
また製品差別化によって「この商品なら高くても買ってもいい」と思ってもらえるかもしれません。
このように設定される価格水準は他のマーケティングミックスに影響を受けると言えます。
価格レベルによって需要数量が変わり、コストの水準にまで影響を与える
価格によって需要数量が大きく影響を受ける場合もあるが全く受けない場合もあります(詳細は後述しています)。
さらに需要数量の増加は生産コストが低下する経験曲線効果を発揮させるのでコスト水準にまで影響を与えます。
価格の影響要因
価格設定をする上で考えなければいけない影響要因が種々あります。
一般的に考えられるものとして以下の6つがあります。
- 企業・マーケティング目標
- コスト
- 競争戦略
- 競争地位別戦略
- 需要の価格弾力性
- 法規制
企業・マーケティング目標
マーケティング目標を売上や市場シェアとするのか利益を重視するのかによって価格設定は異なってきます。
コスト
製品の製造や販売にかかるコストは価格設定の基準となります。
コストにどれぐらい利益を上乗せするかで価格戦略は変わってきます。
競争戦略
コストリーダーシップ戦略をとるのか差別化戦略をとるのか製品価格の設定はとるべき戦略によって変わってきます。
競争地位別戦略
企業の現在の地位がリーダーなのか、それ以外かなどによっても異なってきます。
リーダーであれば非価格対応が定石となりますし、フォロワーであれば低価格の戦略をとることが定石となります。
需要の価格弾力性
需要の価格弾力性とは価格が変化した際に需要がどれくらい変化するかの割合を表します。
価格弾力性が大きい製品は価格を変更することで大きく売上が変わってきます。
一方で価格弾力性が小さい製品は価格を変更しても売上はあまり変わりません。
例えば最寄品は価格弾力性が大きく、牛乳が1割引となる大きく売上が上がることが期待できることがイメージできると思います。
逆に専門品は価格弾力性が小さく、ルイヴィトンのバックが1割引したとしてもそれほどの売上アップは期待できないと言えます。
法規制
独占禁止法では再販売価格の拘束や不当対価など不公正な取引を禁止しています。
価格の - 中小企業診断士試験の過去問チェック
企業経営理論 平成28年度 第27問
価格に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア Aさんは、ある家電専門店の店頭で 5,000円のスマートフォンを目にした時、価格の安さに大きな驚きを感じた。その製品の詳細なスペック(仕様)を販売員に尋ね、購買に至った。これは「品質のバロメーター」としての価格が、消費者の購買意思決定を後押しした例である。
イ 一物一価の原則は常に存在するわけではない。購買の行われるタイミングや季節、地域、顧客区分、あるいは需要の動向によって、価格はある程度柔軟に変更される。
ウ 演奏家向けのバイオリンの製作者であるBさんは、この数年、効率的に製作に取り組める工房を手に入れ、バイオリン1丁の生産に要する時間を1割程度削減した。そこで販売価格を割下げたところ、受注が殺到している。これは価格のもつ「プレステージ」効果による。
エ 消費者にとって、価格には複数の意味があるとされる。そのうちのひとつが「支出の痛み」である。どんなに価格を引き下げても消費者が購買に踏み切ることのできない状況を示すものである。
正解:イ
アの内容
『安かろう悪かろう』という言葉があるように一般的に価格は品質のバロメーターとして捉えられています。
「価格も高いし品質が良いだろう」と思われるは価格のバロメーターが有効に働いて言えると考えれます。
5,000円のスマートフォンはかなり安く、価格のバロメーターが働いているとは考えにくいです。
よってアの内容は誤りです。
イの内容
価格はマーケティングミックスの中で最も柔軟性のある要素と言えます。
購買の行われる季節や地域、顧客区分、需要の動向などによって価格は柔軟に変更されます。
よってイの内容は正しいです。
ウの内容
価格の持つプレステージ効果とは価格が高いことが購入者にステータスや価値を認めさせることです。
価格を下げることで受注が殺到していることはプレステージ効果が現れたとは言えません。
よってウの内容は誤りです。
エの内容
支出の痛みとは購入者の財布からお金が出ていくことに対する痛みです。
価格が低い方が痛みは少ないですが状況によって痛みの程度は変化すると言えます。
どんなに価格を引き下げても購買に踏み切ることのできない状況を示す言葉ではありません。
よってエの内容は誤りです。
『マーケティングにおける価格とは?価格の特徴と影響要因』のまとめ
価格の特徴と影響要因のポイントは以下のとおりです。
- 価格とは製品やサービスの所有、利用から得られるベネフィットと交換に消費者が支払う価値の総称
- 価格は3つの特徴があります
- 価格が収益を生み出す要素である
- 価格の水準が他のマーケティングミックスの要素にも影響を与える
- 価格レベルによって需要数量が変わり、コストの水準にまで影響を与える
- 価格の影響要因は主に6つあります
- 企業・マーケティング目標
- コスト
- 競争戦略
- 競争地位別戦略
- 需要の価格弾力性
- 法規制