コトラーはブランド戦略を検討するにあたり製品カテゴリーとブランド名の観点を既存と新規に分け、組み合わせた4つの戦略があるとしています。
- ライン拡張
- ブランド拡張
- マルチブランド
- 新ブランド
企業の経営資源に応じて最適なブランド戦略をとることが重要になってきます。
Webマーケティング学習に重要なのは実務経験です。
ただ知識を身につけるだけではなく実際にGoogleアナリティクスの分析レポート作成、Google広告やFacebook広告の運用などを実践することが大切です。
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ライン拡張
ライン拡張はすでに成功しているブランド名を利用して既存の製品に対して新商品を導入する戦略です。
形、色、原材料、容器のサイズなどを変えて新商品を導入します。
企業としては以下のようなメリットがある。
- 低コスト・低リスクで新製品が導入できる
- 新製品を導入することで消費者ニーズの多様性に対応することができる
- 余剰生産能力を活用できる
一方でリスクとしては拡張がすぎるとブランド名が持つ特定の意味を失ってしまうこと、自社の他の製品と共食いになることに注意が必要です。
ブランド拡張
ブランド拡張はすでに成功しているブランド名を使って新しい製品カテゴリーに新製品や改良製品を投下します。
新しいカテゴリーの製品に既存のブランドをつける戦略です。
ブランド拡張戦略のメリットは以下のようなものがあります。
- すでに成功しているブランド名を利用することで新しい製品カテゴリー進出することが容易になる
- 新製品がすぐに認知され受け入れてもらえる
- 新しい製品を浸透させるのに広告宣伝費を節約することができる
一方でブランド拡張戦略のリスクとしてブランド拡張が失敗した場合、同じブランド名を持つ他の製品に対して悪影響がおよぶ可能性があります。
具体例としてホンダがオートバイから始まり、自動車やエンジン、除雪機、芝刈り機など様々な新しい製品にもホンダというブランドをつけています。
マルチブランド
マルチブランドは同じカテゴリーの製品に新しいブランドをつける戦略です。
マルチブランド戦略のメリットは以下のとおりです。
- さまざまな購入動機に対してアピールできる
- 小売店で多くの棚スペースを確保できる
- ブランドスイッチを自社内に抑えることが可能になる
一方でマルチブランドのリスクとしては1つ1つのブランドが少しのシェアしか獲得できず、いずれも利益をあげることができないかもしれないことです。
ブランドが多数になるため経営資源が分散されてしまってどれも中途半端な結果になってしまう恐れがあります。
新ブランド
新ブランドは既存のブランド名では新しい製品カテゴリーが相応しくないときにとる戦略です。
新ブランドのメリットとしてはブランドを確立させることができれば売上を大きく増加させることができることです。
一方でリスクとしてはコストと時間がかかり経営資源が分散してしまうということがあげられます。
ブランド戦略 - 中小企業診断士試験の過去問チェック
企業経営理論 平成28年度 第31問(設問1)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
多くの消費者の支持を得ることができたブランドをどのように管理し、成長させていくかは、企業収益を左右する重要な課題である。ブランド開発戦略として説明されているように、例えば、同じブランド名を用いて、同じカテゴリーに形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を導入する[A]や異なるカテゴリーの新製品を導入する[B]がとられる。
同一ブランドでのさらなる市場浸透策が難しいと判断される場合には、同じカテゴリーに新ブランドを展開する[C]や、他社との共同開発という形をとり、自社のブランド名と他社の人気ブランド名2つを同一製品で用いる[D]が検討される。
文中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
ア A:ブランド拡張 B:マルチ・ブランド C:ライセンス・ブランド D:ライン拡張
イ A:マルチ・ブランド B:ブランド拡張 C:ライン拡張 D:コ・ブランディング
ウ A:マルチ・ブランド B:ライン拡張 C:コ・ブランディング D:ブランド拡張
エ A:ライン拡張 B:コ・ブランディング C:マルチ・ブランド D:ブランド拡張
オ A:ライン拡張 B:ブランド拡張 C:マルチ・ブランド D:コ・ブランディング
同じブランドを利用して同じカテゴリに色違いなどを導入するのはライン拡張です。同じブランドで異なるカテゴリに新製品を導入するのはブランド拡張です。同じカテゴリに新ブランドを展開するのはマルチ・ブランドです。
自社のブランドと他社のブランドを同一製品で用いるのはコ・ブランディングと呼ばれます。
よって正しいのはオです。
『コトラーによる4つのブランド戦略』のまとめ
コトラーによるブランド戦略のポイントは以下のとおりです。
- コトラーによるブランド戦略は製品とブランドの2つの観点を既存と新規で組み合わせた4つの戦略がある
- ライン拡張:すでに成功しているブランド名を利用して既存の製品に対して新商品を導入する
- ブランド拡張:すでに成功しているブランド名を使って新しい製品カテゴリーに新製品や改良製品を投下する
- マルチブランド:同じカテゴリーの製品に新しいブランドをつける
- 新ブランド:既存のブランド名では新しい製品カテゴリーが相応しくないときにとる