AIDMAとAISASの違いとは?知っておきたい消費者行動モデル

商品を購入するまでの行動をモデル化したものにAIDMAとAISASがあります。

AIDAMAは注意→関心→欲求→記憶→行動の順番で行動することと定義しているものです。

AISASは注意→関心→検索→行動→共有の順番で行動することと定義しているものです。

AIDAMAとAISASの違いにはネットの普及が大きく影響しています。

AISASにおける検索と共有はネットでの行動を想定しているものです。

AIDMAとAISAS、それぞれの消費者行動の違いを把握しておきましょう。

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AIDMAとは?一般的な消費者行動

AIDMAは以下の頭文字をとったものです。

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動)

消費者が新しい商品を購入する場合に商品の存在を 知り(注意)、興味・関心を持ちます。

それから欲しい(欲求)と思い、記憶の中に残り、その他の商品と比較などし吟味することによって、最終的に購買という行動につながります。

AIDMAのような消費者行動プロセスを想定して各プロセスに合わせたマーケティング戦略を作成、実行して検証、改善を繰り返すことが重要になってきます。

Attention(注意)

顧客はまだ知らない状態なので気づいてもらうことが目標となります。

認知度を向上することができる施策を実施します。

Interest(関心)

顧客は知っているが興味がない状態なので製品に興味・関心を持ってもらい理解してもらうことが目標となります。

Desire(欲求)

興味はあるけど欲しいとは思っていない状態です。

ニーズを喚起する施策を実施します。

Memory(記憶)

欲しいと思ったことを忘れてしまっている状態です。

購入意思を持続させたり、記憶を呼び起こしてあげることを実施します。

Action(行動)

買うかを迷っている状態です。

購入意欲を高めて最後の一押しを行います。

AISASとは?ネット時代の消費者行動

AISASは以下の頭文字をとったものです。

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

AISASはインターネットの普及によって起きた購買行動の変化を反映させたものになります。

AIまではAIDMAと同じですが以降の3つのプロセスが変わっています。

関心を持った後には検索を行い、購買した後に共有をするという流れになっています。

購買の前後に検索と共有と行動が追加されています。

日頃からネットでよく買い物をしている人には非常によくわかりやすいかと思います。

Search(検索)

インターネットで商品を検索して機能を調査、類似商品との比較などを行います。

Share(共有)

購入後に商品を利用してみての感想、評価をネット上に共有することです。

レビューサイト、ブログやYoutube、Twitterなどの各種SNSで共有されことが多いです。

共有されたことは前述したSearch(検索)に影響してくるのでいかに商品が良いことをより多く共有してもらうかが重要になってきます。

AIDMAとAISASの違い

AIDMAとAISASの違いとして記憶の箇所がネットの発展により大きく置き換わっています。

AIDMAでは記憶後(Memory)に購入するかを検討していました。

一方でAISASはネット上で検索することで簡単に比較することができ、商品の使い勝手なども多くの人が共有してくれているので購買までのスピードが早くなっています。

ネット発達以前では共有できる範囲が限られていましたが現代では世界中の誰にでも簡単に共有することができます。

AIDMAとAISAS - 中小企業診断士試験の過去問チェック

企業経営理論 平成22年度 第26問

インターネット上で各種カテゴリの製品に対する膨大な数の消費者からの評価やコメントを収集し、分析結果を販売するC社は、いち早く現代におけるマーケティング・コミュニケーションの変化に着目した企業のひとつとして知られている。C社の事業活動をとりまく、現代のマーケティング・コミュニケーション環境に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 4大マス媒体には、テレビ、新聞、雑誌、ラジオが挙げられるが、インターネット広告は、すでにその広告費において、4大マス媒体のうちの3つを凌いでいる。

イ 広告の効果は伝統的にAIDMA(注目→興味→欲求→記憶→購買)モデルによって説明されてきたが、インターネットの普及にともなって、AISAS(注目→興味→検索→行動→共有)モデルの妥当性が提唱されるようになった。

ウ 標的とするオーディエンスに対して長期的に、バランスがよく、測定可能で、説得力の高いブランド・コミュニケーション・プログラムを計画、開発、実施し、さらにそれを評価するために用いる戦略的なビジネス・プロセスのことを統合マーケティング・コミュニケーションと呼ぶ。

エ プロモーション・ミックスとは、メッセージの送り手によってコントロールされるマーケティング・コミュニケーション要素のことであり、広告、販売促進、PR、対面販売などが含まれる。

オ マーケティング・コミュニケーションの主な役割のひとつは、同一カテゴリの製品・サービスの中から特定のものを購入してもらえるよう消費者(ないし最終使用者)に対するプッシュ活動を遂行することである。

正解と解説 - 企業経営理論 平成22年度 第26問

正解:オ(一部訂正あり!)

アの内容(訂正あり!)

テレビ以外の3つはネット広告費の方が上ということから正しい記述でした。

が2019年にテレビの広告費も超えたため試験に出た際には注意しておきましょう。

インターネット広告費がテレビ広告費を追い抜いた年…これからどうなる?6.9兆円日本の広告費のゆくえ

イの内容

ネットの普及にともない消費者行動モデルはAIDMAからAISASへと遷移したと言えます。

よってイの内容は正しいです。

ウの内容

現代のマーケティング・コミュニケーションでは広告、WEB、セールスプロモーション、ダイレクトマーケティングなど多様化しています。

継続的でいっかしたメッセージを発信するために使い分けと管理を行うために用いる戦略的なビジネスプロセスを統合マーケティング・コミュニケーションと呼びます。

よってウの内容は正しいです。

エの内容

プロモーションミックスは送り手によってコントロールできるマーケティング・コミュニケーションです。

広告、販売促進、PR、対面販売などを組み合わせ、製品の訴求効果を高めるために実施されます。

よってエの内容は正しいです。

オの内容

プッシュ活動とはメーカーが流通・小売業者に対して積極的に販売してもらうように促す戦略のことです。

マーケティング・コミュニケーションの主な役割は消費者との双方向のコミュニケーションです。

よってオの内容は誤りです。

『AIDMAとAISASの違いとは?知っておきたい消費者行動モデル』のまとめ

AIDMAとAISASのポイントとして以下のことがあげられます。

AIDMAとAISASのポイント
  • AIDMAには以下の5つの行動モデルで定義されている
    • Attention(注意)
    • Interest(関心)
    • Search(検索)
    • Action(行動)
    • Share(共有)
  • AISASは以下の5つの行動モデルで定義されている
    • Attention(注意)
    • Interest(関心)
    • Search(検索)
    • Action(行動)
    • Share(共有)
  • AIDMAとAISASの違いはネットの普及が大きく影響している
  • AISASのSearch(検索)ネット上での検索や比較を行い商品の情報を収集している
  • AISASのShare(共有)はブログやSNSを通じて商品の性能などを投稿する、投稿した内容はSearch(検索)に影響してくるのでいかに質の良い投稿を多くしてもらうかが重要になる
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